いびきの対策・改善方法 横浜市港北区大倉山耳鼻科
このページではいびきの対策と改善方法について医学的な知識・根拠と研究結果に基づく説明をします。
► 保存的対策・治療
鼻づまりの改善
マウスピース・口腔内装置
ナステント
CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)
► 科的治療・レーザー手術
いびき対策の現状・必要性
日本で習慣性いびきに悩む人の割合は男性の20-24%、女性の5-10%で、およそ1200万人存在するといわれています。一方、病院の睡眠外来等で医学的治療を受けている人の割合は少なく、悩みを抱えたまま解決策を持たない方が多いです。
いびきを対策・治療することで睡眠の質も改善し健康増進と共にQOLの向上にも繋がります。いびきを止める基本的な方法として、生活習慣を改善することが重要です。生活習慣改善について別のページで説明しました。ここでは、それ以外の保存的治療、医学的治療、外科的治療・手術を含めた様々な方法について説明します。
保存的対策
- 鼻づまりの改善:正常時、人間は鼻から呼吸しますが様々な病気の影響で鼻が詰まると口呼吸に切り替わります。しかし口呼吸というのは正常の状態ではありませんし、様々な問題にも繋がります。鼻から入った気流はきれいなカーブをかいて喉を通ります。一方、口から入った気流は直接口の天井部位(軟口蓋)に当たり、乱気流に変わります。これによっていびきが発生します。アレルギー性鼻炎、花粉症または副鼻腔炎(ちくのう)を適切に治療することで鼻呼吸は安定し、いびきも改善します。また、難治性鼻炎に対しては舌下免疫療法又はレーザー治療も検討されます。
- マウスピース・口腔内装置 (oral appliance, OA):寝るときに上顎より下顎を前方に移動させた状態で固定させる装具です。スリープスプリントともいわれます。睡眠中に装着することによって上気道が広がり、確保できます。習慣性いびきは治療の適応疾患となります。また、軽症から中等症の睡眠時無呼吸症候群治療が改善されます。マウスピースの形態と種類は様々であり、これまでに世界で70種類以上が開発されています。形態によって歯ぎしりを抑える効果もあります。マウスピースの治療は歯科医により行われます。まず、歯の型をとり、その型をもとにマウスピースを作製します。その後、微調整をおこないます。睡眠時無呼吸症候群の治療として保険適応が認められます。マウスピースの副作用は口腔内乾燥, 歯痛,唾液分泌過多,顎関節の違和感,咬筋緊 張などがあります。
- ナステント:非常に柔らかいシリコン材料で作られたチューブ状の医療機器です。睡眠の前にこのチューブの先端を鼻からノドの軟口蓋(のどちんこ付近)の近くまで入れて、クリッパーで鼻に固定します。これによって、睡眠時の気道の閉塞を防ぐ効果があります。いびきのひどい方、軽度から中程度の睡眠時無呼吸症候群の方に有効です。衛生のために、コンタクトレンズのような感覚で使い捨てです。保険適応ではないので自費になります。チューブのサイズを測ることが必要なので、個人では直接購入ができません。横浜市の大倉山耳鼻科でもナステントの相談・対応をおこなっています。詳しくは
- CPAP療法(持続陽圧呼吸療法):CPAPとは弱めの圧力を加えた空気によって上気道の閉塞を取り除く治療方です。重症の睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療では最初に行われる選択です。いびきと共に睡眠時無呼吸がある場合、両方を同時に改善できます。睡眠時に治療用の専用のマスクをかけてCPAP装置で作った弱めの圧力を加えた空気をマスクに通すと、鼻から上気道に空気が流れます。これによって、上気道の開放をキープできます。
いびきの外科的治療
個々の例により、呼吸障害部位,程度,種類に応じた手術方法の選択は変わります。一般に手術部位は鼻腔とノドの2つに分かれます。鼻の手術は鼻呼吸の改善が目的であり、鼻腔整復術,副鼻腔手術などを含みます。一方、ノドの手術としては扁桃腺摘出術、軟口蓋形成術などがあります。いびき源部位別の治療法,特に手術方法については別のページをお読みください。
神奈川県横浜市の大倉山耳鼻科におけるいびき外来で行ういびきの保存的対策、医学的治療、外科的治療についてガイドラインと研究結果を参考にしながら説明しました。
参考文献:
[1] Franklin KA: Effects and side-effects of surgery for snoring and obstructive sleep apnea–a systematic review. Sleep.2009 Jan;32(1):27-36.
[2] Al-Hussaini A: An evidence-based approach to the management of snoring in adults. Clin Otolaryngol.2015 Apr;40(2):79-85.
[3] Ramar K: Clinical Practice Guideline for the Treatment of Obstructive Sleep Apnea and Snoring with Oral Appliance Therapy: An Update for 2015. J Clin Sleep Med. 2015 Jul 15;11(7): 773-827.
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