スギ花粉症の舌下免疫療法:シダトレン・シダキュア

  スギ舌下免疫療法のおすすめ

大倉山耳鼻咽喉科は以前の三保耳鼻咽喉科時代より神奈川県港北区・都筑区・鶴見区・神奈川区の地域で舌下免疫療法を施行しています。現在は300以上の患者さんに治療を継続しております。

舌下免疫療法とは、体質を変えることによって、唯一根本的にアレルギーを軽減またはほぼ治癒させることができる治療です。スギエキス含有の薬剤を舌下に投与する「舌下免疫療法」です。アレルギー反応が起きるのを薬剤で一時的に抑えるのではなく、アレルギー体質を根本的に改善させる治療で、海外では標準治療になっています。神奈川県横浜市港北区の大倉山耳鼻咽喉科でも以前よりシダトレンとシダキュアの舌下免疫療法は行っています。

舌下免疫療法-神奈川県横浜市港北区大倉山耳鼻科病院におけるアレルギー性鼻炎とスギ花粉症の治療

治療の原理
スギ抗原エキスを舌下から吸収させて免疫を作り、スギに体が反応をしないようにしてゆくものです。舌下から吸収させると、あごの下にあるリンパ節にエキスがとどきます。顔に近いリンパ節なので、鼻と目の症状が緩和されやすいという理屈です。

有効性
治療が最後まで行われると、約7~8割の方が永久に症状消失または軽減します。

安全性
副作用は鼻や目のかゆみ、舌の違和感、発疹などといった軽微なものが報告されています。従来の注射治療の時に極めて稀に認められた、軽度のショックを認める可能性は理論上ありますが、これまでの使用実績では、一例もショック事例はありません。

治療対象
治療対象は、スギ花粉症患者であります。皮膚反応テスト又は特異的IgE抗体検査(RAST)によってスギ花粉が病因 アレルゲンである確定診断が必要です。当院でもアレルギー検査をできます。年齢として、

シダトレン:12歳~65歳までの方に治療が可能となっております。

シダキュア:5歳~65歳までの方に治療が可能となっております。

治療方法
5月から12月までの間に治療開始が可能です。原則として治療の開始は院長の診察日のみになります。開始日に限って、まず治療の細かい説明についてのDVDを聞いていただき、内容を確認します。その後、1週間の増量分の処方箋を引き渡し、その薬を薬局から持っていただきます。医療安全のために、1回分の薬を院内で舌下に入れて、30分ほど経過観察します。副作用がないことを確認できれば帰宅になります。次の日から自宅で抗原エキスまたは錠剤を毎日舌下に投与します。低濃度から開始し、段階的に濃度を高めていきます。シダトレンは増量期が2週間、シダキュアは1週間です。そののち維持量になり、3~5年間毎日投与が必要です。

通院期間
3年~5年間の投薬が必要です。シダトレンの通院は初回のみ2週間後に来院、その後は4週に1回の通院です。シダキュアは初回のみ7日後に来院し、その後は2019年7月まで2週間に1回の通院です。(新薬は発売から1年間は最大2週処方のみ可)

薬剤費用(3割負担の場合)

<1週目の増量期>治療1~7日目は日により液量が異なる為、薬剤費も日により異なります。

7日分の薬剤費のみで164円(管理料等別)

<2週目の増量期>

治療1~7日目により液量が異なる為薬剤日も日により異なります。

7日分の薬剤費のみで393円(管理料等別)

<3週目~維持期>

治療15日目以降 1ヶ月で1100円(管理料等別)

シダキュア薬剤費(3割負担の場合)

〈増量期〉

1〜7日間 7日分の薬剤費のみで121円(管理料等別)

〈維持期〉

8日以降(〜4年間) 1ヶ月1,210円(管理料等別)

 

〈1週目の増量期〉

治療1〜7日間は日により薬量が異なるため薬剤費も異なります。

7日分の薬剤費のみで184円(管理費別)

1.2日目 0.2ml
3.4日目 0.4ml
5日目 0.6ml
6日目 0.8ml
7日目 1.0ml
〈2週目の増量期〉

治療8〜14日間は日により薬量が異なるため薬剤費も異なります。

7日分の薬剤費のみで393円(管理費別)

8・9日目 0.2ml
10・11日目 0.4ml
12日目 0.6ml
13日目 0.8ml
14日目 1.0ml
〈3週目〜維持期〉

治療15日目以降(〜約4年間)

1ヶ月分の薬剤費のみで1,100円(管理費別)

 

舌下免疫療法についての詳細は、発売元メーカーの鳥居製薬でご覧になれます。

www.torii-alg.jp

参考文献:

[1] Okamoto Y et al: Efficacy and safety of sublingual immunotherapy for two seasons in patients with Japanese cedar pollinosis. Int Arch Allergy Immunol. 2015; 166(3): 177-88.

 [2] Yang Y et al: Efficacy of sublingual immunotherapy for cedar pollinosis: A systematic review and meta-analysis. Ann Allergy Asthma Immunol. 2016t;117(4): 348-353.

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