CPAP療法
横浜市港北区大倉山耳鼻科

このページでは横浜市港北区の大倉山耳鼻咽喉科クリニックにおけるCPAP療法をご案内します。
CPAP治療は語で Continuous Positive Airway Pressure therapyの略で、
睡眠時無呼吸症候群(SAS)に有効です。
治療の仕組みは、CPAP装置から一定の圧力をかけた空気が、ホースとマスクを通って鼻から気道へ送り込まれます。 この空気圧で、気道がつぶれないよう内側から支えることで、呼吸をサポート!
CPAPを使うと、睡眠中に気道の筋肉がゆるんでも、装置から送り込まれる空気圧によって気道が確保され、呼吸が楽になるため、無呼吸が起こりにくくなります。

CPAPについて医学的な知識・ガイドラインと研究結果に基づく説明します:
どのようなSASの方に適しているのでしょうか?
 CPAPの効果はいかがですか?
 CPAP療法について注意点
 
CPAP療法の開始前に知っておきたいこと
当院でCPAP療法を始める流れ
CPAP療法の経過観察・データの管理とは?

  CPAPは、どのようなSASの方に適しているのでしょうか?

CPAP therapy: how it works

以下の場合には、CPAP治療が第一選択となり、ガイドラインでも推奨されています:

1) SASが中等症で、日中の眠気などの症状が強い方
2) SASが中等症で、心臓や脳の病気がある方
3) SASが重症の方

ただし、日本国内でCPAP治療に保険を適用するには基準があります。 検査(簡易検査、PSG検査)の結果に基づいて、基準を満たしているかを確認し、CPAP治療が適切かどうかを判断します。

  CPAPの効果はいかがですか?

CPAP療法には、主に2つの大切な目的があります:

1) 体への負担を減らすこと: 睡眠中に呼吸が止まると、血液中の酸素が落ちて、心臓や脳に負担がかかります。その結果、高血圧、不整脈、心筋梗塞や脳梗塞といった病気のリスクが高まります。CPAPは呼吸を助けることで、これらの病気を予防し、健康的な生活をサポートします。

2) 睡眠の質を高めること: 呼吸が止まると、夜中に何度も目が覚めてしまい、ぐっすり眠れません。CPAPは呼吸を楽にして、夜中に目が覚めるのを防ぎ、熟睡できるようにします。 

まとめ: 

CPAP療法を続けることで、次のような効果が期待できます。

呼吸が楽になる: 睡眠中の無呼吸や低呼吸が減り、呼吸の状態が正常に近づきます

生活習慣病の予防: SASが原因で起こりやすい高血圧、心筋梗塞、脳梗塞などのリスクを減らせます

健康寿命が延びる: SASがない健康な人と変わらないくらい、寿命が延びる可能性があります

日中の眠気がなくなる:睡眠の質が改善し、日中の眠気が解消されます

頭がスッキリする:認知機能や気分の落ち込みが改善されることがあります

生活が充実する:全体的な生活の質(QOL)が向上します。

事故防止につながる: 注意力や集中力が高まり、仕事中の事故や交通事故のリスクを減らすことができま

CPAP improves sleep quality

  CPAP療法について注意点:

1) CPAP療法は対症療法:CPAP療法を続けることで、
上記の効果が期待できます。ただし、CPAPをやめると、
SASは元の状態に戻ってしまいます。

2) 肥満や扁桃腺の肥大などSASの原因を治療したときは、治療後に再検査を行い、改善を確認する必要があります。
治療後に再検査をして改善を確認しましょう。

3) 使用時間と頻度が大切: CPAP療法の効果を最大限に得るためには、毎日きちんと使うことが重要です。
1日に4時間以上、そして1ヶ月のうち70%以上の日数で使用することが目標です。

4)CPAP装置はレンタル: CPAP装置は、病院を通して医療機器会社から貸し出しされています。

5) 月に一度は必ず受診を:保険診療でCPAPを使用するには、月に一度、必ず病院を受診する必要があります。

6) 長期間受診がないと治療が終了になる場合があります: ご連絡なく受診されない場合、CPAP療法を続ける意思がないと判断し、治療を終了させていただくことがあります。 また、怪我や病気で入院された場合、または入院の予定がある場合は、必ず病院のスタッフにCPAPを使用していることを伝えてください

7) 中断・休止したい場合はご相談ください: CPAP療法を中断または休止したい場合は、遠慮なく医師にご相談ください。

  CPAP療法の開始前に知っておきたいこと

慣れるまでに少し時間がかかることがあります:
    1ヶ月~3ヶ月

当院では初期の気圧を低めに設定し、段階的に上げることで慣れやすく調整します➡不快感を軽減し、よりスムーズな治療開始できます

導入直後は不快に感じることもあるが、最初は短時間しか使用できなくても徐々に慣れてくること

CPAP開始時は装着が煩わしいことがある

煩わしい時はCPAPを外してもOK!

まずは慣れることから! 就寝時は必ず装着を(使用時間は不問)
疑問問題は起こり得るもの、その都度教えてほしい、少しずつ使えるように試してみてください!

不安や不明点があれば主治医に相談し、自己判断で中止しないこと

  当院でCPAP療法を始める流れ

1) WEB問診:無呼吸症候群専用の問診票にご回答ください。

2) 専門外来を受診(初回)
医師が、自覚症状と治療へのご希望をお伺いします
鼻と喉の状態を診察し、症状と診察結果についてご説明します

3) 検査:SASの診断と重症度を判定するために、
まず簡易検査を行います。自宅で簡単にできるスクリーニング目的の検査です。

2回目の受診: 検査結果から、SASの重症度を判断します。
 * 中等症~重症の場合は、精密検査(PSG検査)を行います。
 * 簡易検査が特に悪い場合は、精密検査を省略できることもあります。
 * 精密検査では、睡眠中の呼吸の状態、脳波、心電図、酸素飽和度などを詳しく調べます。

3回目の受診: 精密検査の結果から、SASの重症度を判断します。

4) CPAP療法の適切について:検査結果、症状、合併症とCPAPの条件を考慮して、CPAPが適切かどうかを判断します。
療法を行う場合は、依頼書をご記入いただき、導入日を予約します。

5) CPAP療法導入(3-4回目の受診):
専門業者の方が、CPAP機器の設置や使い方についてご説明します。
機器の準備・貸出、マスクの選び方、フィッティングを行います。

6) CPAP療法開始:
ご自宅でCPAP機器を装着して寝ることで、CPAP療法を始めます。
毎日CPAPを使い、睡眠中の呼吸をサポートしましょう。
最初は慣れないかもしれませんが、少しずつ装着時間を延ばしていくと良いでしょう。

7) 定期的な診察で安心:月に1回程度、医師の診察を受けていただき、経過観察・データの管理が行います。

CPAP療法の経過観察・データの管理とは?

保険診療では医師による問診とCPAPデータに基づいて指導管理は必須です。
CPAP装置からIT技術を用いて医療機関へデータを転送できます。
記録されたデータの内容は、

治療中に残存するAHIレベルが確認

 使用率:使用された日数の割合(合計)

使用率:4時間以上使用日数の割合

 使用時間:1日平均の使用時間

 気圧レベル:平均圧力レベルと圧力の設定

 空気の漏れ・マスクリークの有無と程度 

上記のデータを確認し、必要に応じて、設定調整やマスクの交換などを行います。

  参考文献:

[1] 日本呼吸器学会:https://www.jrs.or.jp/publication/file/guidelines_sas2020.pdf
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン

[2] American Academy of Sleep Medicine: Clinical guidelines for the manual titration of positive airway pressure in patients with obstructive sleep apnea. J Clin Sleep Med 2008 Apr 15;4(2):157-71. 

[3] Canadian Agency for Drugs and Technologies in Health: CPAP Treatment for Adults with Obstructive Sleep Apnea: Review of the Clinical and Cost-Effectiveness and Guidelines. CADTH Rapid Response Reports, 2013 Nov 18.

[4] Khoo SM et al: Risk factors associated with habitual snoring and sleep-disordered breathing in a multi-ethnic Asian population: a population-based study. Respir Med. 2004 Jun;98(6):557-66.
[5] 成井浩司:睡眠時無呼吸症候群~診断と治療~(Sleep apnea syndrome diagnosis and treatment)。平成26年度、日本内科学会生涯教育講演会日本内科学会雑誌104巻3号。

[6]循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン Guidelines for Diagnosis and Treatment of Sleep Disordered Breathing in Cardiovascular DiseaseJCS 2010)Circulation Journal Vol. 74, Suppl. II, 2010

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