神奈川横浜市の当院におけるめまい外来
めまい・ふらつきの症状で悩んでいる方と病院外来でよく会います。しかし、その原因と治療方針が様々であり、鑑別診断できることは困難になっている、めまいが治らなかったり、かなり長引いている症例も少なくありません。ここでは神奈川県横浜市港北区大倉山耳鼻のめまい専門外来に行う耳鼻科関係の原因病気と検査、診断、治療について以下の流れで説明します。原則としては院長の診察になりますので、診療表にて院長の診察日ご確認ください。
◉ めまい・ふらつきの原因
◉ 悪化する因子・原因
◉ 良性発作性頭位めまい症(BPPV)
◉ メニエール病
◉ 突発性難聴
◉ 前庭神経炎
◉ 前庭神経炎持続性知覚性姿勢誘発めまい (PPPD)
体の平衡を維持するには複雑なプロセス(過程)があります。
体のバランスを安定するには主に3つ感覚の情報が必要です。それぞれの入力情報が小脳と脳幹部で集められて、さらに統合されます。
1)前庭感覚(内耳・前庭器部の役割):重力と関係する動きの感覚です。体が動いているかどうか、どちらを向いているか、どれくらい傾いているかについての情報が得られます。
2)視覚(眼球の役割):外界にある物体の位置関係など空間的な情報が得られます。
3)深部知覚(関節・筋・腱にある受容器の役割)。中間領域において体の各部分の位置、運動の情報が得られます。
この情報が維持的に脳にいき、特に脳幹・小脳部で総合されます。そこから次に筋肉・関節に送られ、必要な調節を行います。
体のバランスを維持するため、このシステムが働くので、各部位の病気により様々の形で症状が出ます。
めまいやふらつきの悩みで何科に相談・受診するかということについて迷っている方もあるかもしれません。めまい症状で病院外来に受診した患者さんの約50~80%が耳鼻科関係の疾患によるものです。一方、脳疾患のめまいは3~7%です。
めまい・ふらつきの原因
めまいの診断には問診によって症状の性状・経過と他の症状(難聴、耳鳴り、耳閉感、頭痛)を評価することは重要です。次として、診察、聴力検査、赤外線眼振検査が行って、難聴、眼振の有無・方向を確認します。中枢性めまいの疑い場合には神経学的診察が行います。
耳鼻科関係めまいの原因疾患:
1)良性発作性頭位めまい症 (BPPV):三半規管関係のめまい
2)内耳性めまい:内耳循環不全と推測
3)メニエール病:内耳液・内リンパ圧の調節問題
4)突発性難聴:めまいを伴う突発性難聴
5)前庭神経炎:前庭神経の炎症
6)持続性知覚性姿勢誘発めまい (PPPD)
脳疾患関係めまいの原因(中枢性めまい):
1)椎骨脳底動脈循環不全
2)脳出血・脳梗塞
3)脳腫瘍
その他のめまい原因:
1)心因性めまい
2)起立性調節障害、起立性低血圧
3)片頭痛性めまい
4)不整脈
5)薬剤性めまい
めまいを悪化する原因・因子
症状を悪化する原因について認識することも重要です:
1)睡眠不足
2)過度のストレス:職場人間関係、家族の病気
3)体調不良:風など
4)疲労:忙しい行事による疲れ
5)低気圧の接近、急な寒さ
6)視覚刺激:人込み、デパート、ラッシュの電車
7)体調不良:風など
8)(女性) 生理の前後、更年期の時期
良性発作性頭位めまい症(BPPV)
年齢:加齢とともに発症する人が増えます。特に高齢者では平衡機能に影響し,負傷しかねない転倒を招くこともあります。
原因:
内耳に収まっている耳石(カルシウムの粒)が、そこから剥がれて、三半規管に入ったときに発生します。三半規管の中の耳石は頭の運動と共に動いて、三半規管を刺激してめまいを起こします。
耳石を内耳から剥がれる原因として:
◆ 頭または耳の外傷、けが
◆ 耳の感染症
◆ 長期間の床上安静
◆ 耳の手術
◆ 他の内耳の病気(メニエール病)
◆ 場合によっては、内耳につながる動脈の閉塞
めまいの特徴:特定の方面で頭を急に動かした時に回転性めまい(周囲がグルグル回るような激しいめまい)が出ます。実際に症状が誘発される行動として;
► 朝目覚めて最初に寝返りをうったとき
► 寝起き・就寝、寝返りの時
► 棚の上の物を取る上向き時
► 洗髪のような下向き時
► 座っていて急に振り向いたり時
► 棚の上のものを取ろうとして急に上を向いた時など
めまいの持続時間は長くても数秒~数十秒ですが、激しいめまいによって5-10分持続したように感じられます。
また同じように頭を動かすと繰り返しめまいが起こります。
吐き気や嘔吐を伴うことがあります、
難聴、耳鳴りや耳が詰まった感などは起こりません。
診断は症状と診察に基づいています:
1)症状の特徴と症状が起こる状況、
2)眼振:診察の結果に基づいて下されます。
予後:症状は1-2週間以内にだんだん軽くなります。しかし、再発する場合があります。1年以内の再発率は15%、5年再発率は50%と比較的高いです。
治療:
遊離した耳石を元にもどす目的で頭位変換療法(エプリー法)と言われるリハビリ法・体操法にて治癒を早めます。
メニエール病
✦ 性別は女性に多く、年齢は30才後半~40才前半がピークになります。
✦ 激しい回転性のめまいとともに難聴、耳鳴り、耳閉感の症状が発作的に繰り返します。
✦ めまい症状が強くて、吐き気と嘔吐を伴うこともよくあります、
✦ メニエール病は治癒させるではなく、コントロールする疾患です。
✦ メニエール病は生命に危険のないめまいです。
✦ めまい発作の誘因として精神的・肉体的ストレスや睡眠不足が多いので、ライフスタイルの改善も大切です。
めまいを伴う突発性難聴
✦ 原因不明ですが、内耳循環障害やウイルス感染によると推定されています。発作は一度だけで繰り返すことはありません。繰り返す場合はメニエール病など別の疾患が疑われます。
✦ 早期に治療を始めることは重要です。
前庭神経炎
✦ 強いめまい・嘔吐が急に出現します。入院が必要の場合が多いですが生命に危険がないめまいです。
✦ 最初の強いめまいが落ち着いても、歩行時体位変換時のふらつきは2-3週間以上続く場合もあります。
持続性知覚性姿勢誘発めまい (PPPD)
PPPD(持続性知覚性姿勢誘発めまい、Persistent Postural-Perceptual Dizziness)は、慢性的なめまいを引き起こす症候群です。姿勢や環境の視覚的な変化に関連するめまいを特徴とし、持続的かつ慢性的な症状が見られます。
この疾患は特定の基礎疾患に続発して発症することが多く、例えば前庭神経炎、メニエール病、片頭痛関連めまい、または精神的ストレスや不安によっても引き起こされることがあります。
治療方法:めまいの重症度によっていくつかの治療方法を挙がられます。
生活習慣の改善
前庭リハビリテーショ ン
薬物療法: 漢方治療、SSRI
PPPDの詳細の説明について別のペットに参考ください。
参考:
2) Lopez-Escamez JA et al. Diagnostic criteria for Menière’s disease. J Vestib Res. 2015;25(1):1‐7.
3) Staab JP et al. Diagnostic criteria for persistent postural-perceptual dizziness (PPPD): Consensus document of the committee for the Classification of Vestibular Disorders of the Bárány Society. J Vestib Res. 2017;27(4):191‐208.
大倉山駅 徒歩5分
菊名駅 徒歩15分
綱島駅 電車・歩行7分
JR線 新横浜駅 バス15分
Copyright (c) 2019 Okurayama Ear Nose Throat & Allergy Clinic. All rights reserved.