睡眠時無呼吸症候群SAS外来
横浜市港北区大倉山耳鼻科

このページでは横浜市港北区の大倉山耳鼻咽喉科クリニックにおける睡眠・SAS外来をご案内します。睡眠時無呼吸症候群の原因、主な症状と診断に対して簡易検査・PSG検査について説明します。また、改善できる対策および治療方法、CPAP(シーパップ)療法に対する病院方針をご案内します。原則としては院長の診察なりますので、診療表にて院長の診察日ご確認ください。

睡眠時無呼吸症候群とは睡眠の質を悪化する生活習慣病であります。英語ではsleep apnea syndromeと言うので、よくSAS(サス)と略されます。研究結果によって、短時間の睡眠がサスとも関連します。また、患者さんの20%は肥満症、高血圧、糖尿病とも間接的に関連しています。

米国に比べて日本では肥満者が少ない割に多くのSAS患者が存在することが報告されています。2004年に大阪で行った研究では2359歳の男性の22%に中等度以上の無呼吸症候群を認め、全国では900万人の患者が潜在していると予測されています。一方、実際に正確に診断されずに治療を受けられていない方も多いです。最近、特に運転や精密な作業を要する職場では、潜在的な患者の治療率を上げる目的で、専用問診や検査を検診に導入している企業も多いです。
睡眠時無呼吸症候群について医学的な知識・根拠と研究結果に基づく説明いたします:

 無呼吸症候群の原因・メカニズム
 症状・合併症
 
診断基準:簡易・PSG検査
 
改善できる対策・治療:CPAP療法

  睡眠時無呼吸症候群の原因・メカニズム:

睡眠時無呼吸症候群の原因-横浜市港北区の大倉山耳鼻科病院
SASとは、睡眠時に一時的に止まったり浅くなったりする呼吸のことです。睡眠中に呼吸がなぜ止まるんでしょうか?それは鼻、喉、咽頭の構造・機能と強く関係しています。呼吸の気流が鼻から喉まで通る道を上気道といいます。様々な原因の影響で上気道が狭くなる、もしくは閉塞すると、そこを通る気流も浅くなったり(低呼吸)一時的に停止したり(無呼吸)します。

大人で一番多い原因は肥満症です。しかし、やせているのにSASである方もいます。それは顎の構造が小さい(小顎症)ため、気道がふさがれやすいからです。一方、子供の場合にはアデノイド肥大、扁桃腺肥大と鼻づまりが主要な原因になります。

睡眠時無呼吸症候群の重要な原因は:
 肥満症:BMI25を超えること
 顎の構造が小さい(小顎症)
 扁桃腺肥大症、アデノイド肥大症
 大きな舌(巨舌症)

睡眠時無呼吸症候群を悪化する要因は:
 鼻づまりによる口呼吸(花粉症、アレルギー性鼻炎、鼻が曲がっている)
 首が短い・太い方(上気道が比較的狭いため)
 飲酒(顎を安定する筋肉の力が低下するため)
 喫煙(喫煙者は非喫煙者に比べて、睡眠時無呼吸症候群のリスクが3倍高い)
 遺伝(両親や兄弟にSASの方がいる場合、本人のリスクも高くなる)
 加齢

  睡眠時無呼吸症候群の症状・合併症:

SASは睡眠時呼吸障害の代表的な疾患であり、主な症状は習慣性いびき、日中の眠気と睡眠中の呼吸停止です。大きないびきをかくのはSASの前駆的な症状でもあります。

基本的にSAS症状は2つの問題点より発生します:
1) 睡眠の質の低下とそれによる睡眠不足
2) 睡眠時無呼吸による低酸素状況。その影響で循環器疾患(高血圧、不整脈、狭心症、脳梗塞)が悪化します。

睡眠時無呼吸症候群の症状-横浜市港北区の大倉山耳鼻科病院

睡眠時無呼吸症候群の自覚症状は:
日中の眠気、不眠
眠っている間苦しくて途中で目が覚める
熟睡感がない:眠っても元気が回復しない
仕事に集中できない
疲労感・倦怠感:だるい、疲れる
起床時の頭痛
インポテンツ

家族や周囲の人から指摘される症状は:
うるさいいびきをかく:前駆的な症状です
睡眠中に呼吸が中断している:時々息が止まっている

睡眠時無呼吸症候群の合併症-横浜市港北区の大倉山耳鼻科病院

合併症として以下の病気がさらに悪化します:

高血圧:若いのに血圧が高くなる
心臓の病気(不整脈、心不全)若いうちから指摘され、薬の服用が必要になる
気分の変化・落ち込み(易怒性・うつ気分)
認知機能障害:認知(判断・記憶)機能の低下
脳梗塞
糖尿病:血糖値のコントロールがうまく行かない

  SASの診断基準・PSG検査

問診や身体診察のみで診断することは容易ではありません。特に下記の症状組み合わせを持っている方には睡眠時無呼吸症候群を確認するための検査をおすすめします:

大きなイビキ + 無呼吸
大きなイビキ + 肥満症
大きなイビキ + 日中眠気
(大きなイビキ or 無呼吸 or 肥満症) 上記の症状が2つ以上

睡眠時無呼吸症候群の診断には3種類の検査があります:

1) 簡易検査:自宅で簡単にできます。横浜市大倉山耳鼻科のSAS外来でもこの検査の受付ができます。

2) 在宅PSG検査(終夜睡眠ポリグラフィー、Polysomnography):自宅でできる、睡眠時無呼吸症候群の精密的な検査です。費用は3割負担の方の場合は約12,420円です。横浜市大倉山耳鼻科のSAS外来でもこの検査の受付ができます。

3) 入院PSG検査(終夜睡眠ポリソムノグラフィー、Polysomnography):入院が必要です。費用は病院によって変わり、3割負担の方の場合は約47万円程度です。

 睡眠時無呼吸症候群の診断・検査について別のペットに参考ください。

  睡眠時無呼吸症候群の治療

SASの原因や程度によって適した治療法はさまざまです。それぞれに適した治療法を十分なインフォームドコンセントのもと、医師と患者で相談しながら決めていきます。睡眠時無呼吸症候群の程度による代表的な治療法は以下のものがあります。

1) 軽度:運動と減量を含めて生活習慣・睡眠習慣の改善が基本的な対策です。
2) 中等度:軽度治療をするか重症度治療をするか相談します。
3) 重症度:CPAP治療が標準的に推奨される治療です。

1) 減量:肥満が原因の場合は減量によりノドのまわりの余分な脂肪がとれ症状がよくなることがあります。減量には毎日の運動量、食事の内容についての見直しと継続的な努力が必要です。

2) 体位の工夫:仰向けで寝ると下向きの重力がかかるために、軟口蓋、舌根、喉頭蓋などが下がりいびきや無呼吸を生じることがあります。この場合、抱き枕を利用するなどして横向きにねると症状が改善することがあります。

3) 減酒:就寝前の飲酒は、ノドの筋力を低下させ気道の閉塞を来しやすくなりいびきや無呼吸の悪化をきたします。寝る前の飲酒は極力控えましょう。

4) 薬剤の調整:睡眠剤や抗不安薬などの薬剤はアルコールと同様にノドの筋力を低下させ気道の閉塞をおこしやすくなります。しかしながら、自己判断での薬剤の調整は危険です。必ず医師と相談の上でおこなって下さい。

5) 禁煙:喫煙は血液中の酸素濃度を低下させ、またノドの炎症をおこし睡眠に悪影響をあたえます。できるだけ禁煙をしましょう。

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  参考文献:

[1] Khoo SM et al: Risk factors associated with habitual snoring and sleep-disordered breathing in a multi-ethnic Asian population: a population-based study. Respir Med. 2004 Jun;98(6):557-66.
[2] 成井浩司:睡眠時無呼吸症候群~診断と治療~(Sleep apnea syndrome diagnosis and treatment)。平成26年度、日本内科学会生涯教育講演会日本内科学会雑誌104巻3号。

[3]循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン Guidelines for Diagnosis and Treatment of Sleep Disordered Breathing in Cardiovascular DiseaseJCS 2010)Circulation Journal Vol. 74, Suppl. II, 2010

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